信訪 2012 9 30

2012年9月16日の朝日新聞の書評欄には、このようなものがありました。

「陳情 中国社会の底辺から」(毛里和子 松戸庸子 編著  東方書店)

 本書がテーマとする中国の「陳情」(中国語では「信訪」)は、
日本のそれと違って、ほとんど命懸けとも言える厳しい世界だ。
 村の幹部の腐敗に憤って地方から北京へ出てきた一組の夫婦。
「憲法を擁護せよ、人権を返せ」と長年訴えてきたが、
解決に向けた動きはない。
報復が怖いため、夫婦は村に帰れない。
 秩序かく乱などの罪で労働矯正所に数回、送られたが、
なおも、ひるまず不正を訴え続ける。
 土地を奪われた農民、保険金強奪の被害者、
福利厚生を削減された退役軍人。
 様々な問題を抱えた人たちが各地から北京に赴き、
政府や裁判所の受付窓口に救済を求める。
 上京陳情者が増えると、地方政府の評価が下がる。
地方政府の委託を受けた民間会社が「陳情者狩り」をして、
半ば暴力的に地元へ送り返すことさえ行われているという。
 陳情が問題の解決につながる可能性は、ほとんどない。
それでも陳情者は後を絶たない。
(中略)
 筆者(上丸)は、2年前、
中国・南京の街頭で、
「要民主選挙、要言論自由」と書いた紙を胸に掲げて、
道行く人にアピールしている中年男性を見かけた(写真も撮った)。
(以下、省略)
(書評 朝日新聞本社編集委員)
(以上、引用)
 人民が、命懸けで政治改革を求めても、
党も政府も、聞く耳を持たない。
 人民のための党ではなかったのか。
人民のための政府は、どこへ行ったのか。
それとも、そういうものは、元々、存在しないのか。

中国の民主化 2012 9 30
 もはや、今時、「中国の民主化」と言うのは、
世界で、たった一人、私だけになってしまったのでしょうか。
今や、アメリカですら、中国に遠慮して何も言えなくなっています。
 しかし、私は、言わなければならない。
政治改革を棚上げにして、経済改革のみ進めるのは、間違っています。
 歴史に「if」はありませんが、
何度も何度も思うことは、
総書記だった胡耀邦氏(1915年から1989年)の政治改革が成功していれば、
今の中国は、人民が作る、人民のための政府となっていたでしょう。
 しかし、今は2012年、過去には遡れない。
中国を待ち受けている未来は、
北朝鮮のような先軍政治か、
大分裂か、
いずれにしても、そこに人民のための政府は存在していない。






































































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